非正規働く人の権利ガイド

非正規雇用でも取得できる育児・介護休業:条件と申請方法を解説

Tags: 育児休業, 介護休業, 非正規雇用, 労働者の権利, 休業制度

非正規雇用として働く皆様の中には、ご自身やご家族の状況により、育児や介護のための休業が必要となることがあるかもしれません。正社員ではないから休業は難しいのではないか、という不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、労働者の育児休業や介護休業を取得する権利は、正社員に限られたものではありません。一定の条件を満たせば、パートやアルバイトといった非正規雇用者の方々でも、これらの休業制度を利用することが可能です。

このページでは、非正規雇用の方が育児・介護休業を取得するために知っておくべき条件や、必要な手続きについて詳しく解説いたします。ご自身の権利を理解し、安心して働くための情報としてご活用ください。

非正規雇用者の育児休業取得条件

育児休業は、原則として子どもが1歳になるまで(一定の場合は最長2歳まで)、育児のために取得できる休業です。非正規雇用の方が育児休業を取得するためには、主に以下の条件を満たす必要があります。

これらの条件に加え、日雇い労働者は育児休業の対象外となります。また、労使協定により、以下のいずれかに該当する労働者は育児休業の対象から除外される場合があります。

ご自身の雇用契約や会社の就業規則、労使協定を確認することが重要です。

非正規雇用者の介護休業取得条件

介護休業は、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする家族を介護するために取得できる休業です。対象家族一人につき、通算93日まで、3回を上限として取得可能です。非正規雇用の方が介護休業を取得するための条件は、主に以下の通りです。

育児休業と同様に、日雇い労働者は対象外です。また、労使協定により、以下のいずれかに該当する労働者は介護休業の対象から除外される場合があります。

こちらも、ご自身の雇用契約や会社の就業規則、労使協定を確認する必要があります。

育児・介護休業の申請方法

育児休業や介護休業を取得するためには、原則として休業開始予定日の1か月前までに、会社に申し出る必要があります。申し出は書面で行うことが推奨されます。会社から所定の様式が提示される場合もありますので、まずは会社の担当部署(人事労務など)にご確認ください。

申し出の際には、以下の事項を伝える必要があります。

会社は、適正な申し出があった場合、原則として休業を拒むことはできません。

休業中の経済的支援について

育児休業や介護休業を取得する期間中は、原則として賃金は支払われません。しかし、一定の条件を満たせば、雇用保険から「育児休業給付金」または「介護休業給付金」が支給されます。

これらの給付金は、非正規雇用の方でも雇用保険に加入しており、受給資格を満たしていれば対象となります。支給額や手続きについては、ハローワークにお問い合わせください。

休業後の労働条件と相談窓口

育児休業や介護休業を取得したことを理由として、会社が解雇や減給、降格といった不利益な取り扱いをすることは法律で禁止されています。安心して休業を取得し、職場復帰できる環境が保障されています。

もし、休業の取得に関して会社から不当な取り扱いを受けたり、不明な点があったりする場合は、一人で悩まず専門機関に相談することが重要です。

これらの公的機関は、非正規雇用の方を含め、すべての働く人の権利を守るためのサポートを提供しています。

まとめ

非正規雇用だからといって、育児や介護のための休業を諦める必要はありません。法律で定められた要件を満たせば、育児休業や介護休業を取得する権利があります。

ご自身の雇用条件を確認し、必要な場合は会社への申し出を行いましょう。不明な点や不安がある場合は、労働局やハローワークなどの専門機関に相談することで、適切な情報を得ることができます。

この情報が、皆様がご自身の権利を知り、安心して働き続ける一助となれば幸いです。