非正規働く人の権利ガイド

パート・アルバイトのための労働時間と休日に関する権利ガイド

Tags: 非正規雇用, 労働時間, 休日, パート, アルバイト, 労働基準法

非正規雇用で働く皆さんにとって、働く時間や休みのルールは、日々の仕事や生活に直接関わる重要な事柄です。特にシフト制で働いている場合、労働時間や休日がどのくらいになるのか、法律で定められているルールを知っておくことは自身の権利を守る上で非常に役立ちます。

この項目では、パートやアルバイトといった非正規雇用で働く皆さんのために、労働時間と休日に関する基本的な法律ルールについて分かりやすく解説します。

労働時間の基本ルール:法定労働時間とは

労働基準法では、労働時間の上限が定められています。これが「法定労働時間」です。原則として、使用者は労働者に対し、1週間に40時間、1日8時間を超えて労働させてはならないとされています(休憩時間を除く)。

この法定労働時間のルールは、正社員だけでなく、パートやアルバイトといった非正規雇用者にも適用されます。つまり、皆さんも原則として、1週間に40時間を超えて働かされることはありませんし、1日に8時間を超えて働く場合も、別途定められたルールに従う必要があります。

ただし、特定の業種や常時10人未満の労働者を使用する事業場など、例外的に特例措置が適用される場合もあります。しかし、多くのパート・アルバイトの方が働く事業場では、この原則的な法定労働時間ルールが適用されると考えて良いでしょう。

休日に関する基本ルール:法定休日とは

労働基準法では、使用者に対し、労働者に対して毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないと定めています。これを「法定休日」と呼びます。この「毎週少なくとも1回」の休日は、4週間を通じて4日以上の休日を与えることでも満たされます。

この休日に関するルールも、労働時間と同様にパートやアルバイトといった非正規雇用者にも適用されます。シフト制で働いている場合でも、少なくとも1週間に1日は休みがある(または4週間の中で4日以上の休みがある)ことが法律で保障されています。

「法定休日」は法律によって使用者に与えることが義務付けられている最低限の休日です。これとは別に、会社が独自に定める休日(会社の休み、シフトによる公休など)があり、これらは「法定外休日」と呼ばれます。法定休日に労働させた場合には、通常の労働日の賃金に加えて、割増賃金の支払いが必要となります。

労働時間や休日に関するルールが守られていないと感じたら

もし、自分の労働時間が週40時間を大幅に超えているにもかかわらず、適切な残業代の支払いがない場合や、毎週休みがなく働き続けているといった状況がある場合、労働時間や休日に関するルールが守られていない可能性があります。

このような場合、まずは自身の労働条件通知書や雇用契約書を確認してみましょう。そこに記載されている労働時間や休日に関する条件と、実際の勤務状況が異なっていないかを確認することが重要です。

もし、会社のルールや実際の勤務状況が法律と異なる、あるいは不明な点がある場合は、会社の責任者や人事に相談してみることも一つの方法です。それでも解決しない場合や、相談しにくい状況であれば、労働基準監督署に相談することも可能です。労働基準監督署は、労働基準法に基づいて会社が適切に運営されているかを確認する公的機関です。

まとめ

パートやアルバイトとして働く皆さんも、労働時間の上限や休日の取得に関して、正社員と同様に労働基準法で守られています。1週間の労働時間は原則40時間、1日の労働時間は原則8時間が上限であり、毎週少なくとも1回(または4週4日以上)の休日を取得する権利があります。

これらの基本的な権利を知っておくことは、自身の働き方を見直し、安心して仕事に取り組むために非常に重要です。もし、ご自身の状況で不安な点や疑問点があれば、一人で抱え込まず、まずは会社の規定を確認し、必要に応じて専門機関に相談することを検討してください。自身の権利を正しく理解し、適切な労働環境を維持することが大切です。